01.ワイヤリングとは?
ワイヤリングとはフラワーデザイン用語で、花や茎にワイヤーを施すことで、花材を補強したり、丈を伸ばしたり、デザインするうえで重要なテクニックです。フラワーアレンジを作って人に贈りたい・遠方へ郵送したいというときなどには、花材をしっかりと固定する必要があるので必須の工程といえます。生花と異なり、多くのプリザーブドフラワーには長い茎がありません。ワイヤリングのテクニックを身に着け、デザインの幅を広げましょう。
プリザーブドフラワーのワイヤリングは、滑りが良く花を傷つけにくい裸線のワイヤーを使います。
02.基本のワイヤリング8種
1.ピアス
茎やガクにワイヤー1本を横に通す 向いている花材:ローズ・カーネーション花首のすぐ下に斜めにカットしたワイヤーを挿し込む。 |
ワイヤーが反対側に貫通したら、そのままワイヤーを通す。 |
ワイヤーの中心に花がきたら、両端を茎に沿って曲げ下ろす。 |
2.クロス
茎やガクにワイヤーを十字に通す 向いている花材:ローズ・カーネーションワイヤー1本をピアスする。 |
1本目のワイヤーと直角になる位置に2本目を挿し込む。 |
ワイヤーの中心に花がきたら、両端を茎に沿って曲げ下ろす。 |
3.フック
カギ状に花芯にワイヤーを引っかける 向いている花材:ガーベラ・ジャスミン・カラー・マム1本のワイヤーを茎の下から中に挿し入れる。 |
ワイヤーは花の上に突き出し、先端をカギ状に折り曲げる。 |
花芯を傷めないようにワイヤーを下へ引っ張る。 |
4.インソーション
茎にワイヤーを挿し花を支える 向いている花材:マム・ダリア茎の中にしたからワイヤーを挿し入れる。 |
ワイヤーの先端が花から突き出ないよう間際で止める。 |
5.ルーピング
U字状のワイヤーを花上から挿す 向いている花材:デンファレ・胡蝶蘭ワイヤーをU字状に曲げ、花の中心部に挿し込む。 |
花を傷めないようにワイヤーを下から引く。 |
花芯の硬い部分に引っかかったら引くのを止める。 |
6.ツイスティング
茎にワイヤーを巻きつける 向いている花材:アジサイ・カスミソウ花材の枝分かれ部分にワイヤーを挿し込む。 |
ワイヤーの中心に花がきたら両端を曲げ下ろす。 |
片方のワイヤーを開き、もう1本のワイヤーを巻きつけて揃える。 |
7.ヘアピン
葉の葉脈にワイヤーを通す 向いている花材:ゲイラック・バラの葉葉を裏返し、葉脈の横からワイヤーを通す。 |
ワイヤーの中心に葉がきたら、ワイヤーの両端を曲げ下ろす。 |
片方のワイヤーを開き、もう1本のワイヤーを巻きつけて揃える。 |
8.セキアリング
ワイヤーを長いつる状のものに絡める 向いている花材:アイビー・ワイヤープランツワイヤーの先端をカギ状に曲げる。 |
ワイヤーをつるに沿わせ、らせん状に絡める。 |
つるの下まで絡めて完成。 |
03.ワイヤーの選びかた
ワイヤーの太さは#(シャープ)で表示されていて、#14~#30まで基本的に偶数番手で表しています。数字が小さいほど太く、大きいほど細くなります。花材やデザインの用途に合わせてワイヤーを使い分けましょう!
種類 | 特長と用途 |
---|---|
ワイヤー地巻線 |
|
ワイヤー裸線 |
|
- 数字が大きいほど細い
- プリザーブドフラワーのワイヤリングに適しているのはワイヤー裸線
- 花が傷ついてしまうので、プリザーブドフラワーでは#22~#26くらいのワイヤーを使う
花の重さや丈の長さによって番手をかえます。
ワイヤリングした状態で軽く振り、まっすぐキープできるくらいの番手が◎。
ブーケを持って歩いたり配送したりする場合には作品の形状が崩れてしまわないよう、花が下に垂れない太さの番手を選びましょう。
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04.テーピング
すべての花材に共通のテクニックです。
ワイヤリングを覆い隠すようにテーピングをしていきます。
ワイヤーの補強や滑りにくくするなどの機能面と、見た目を美しく仕上げる効果があります。
フローラテープを十分に伸ばして接着面を出し、巻いていきましょう。
花首の下約1cmから巻き始め、いったん上に向かって巻く。 |
花首の下まで巻いたら、斜めに引っ張りながら巻き下ろす。 |
端まで巻き終えたら、余分なテープを手でちぎって馴染ませる。 |
フローラテープとは?
- 薄い紙に粘着剤のついたテープで、細かくシワ加工されたものです。
- フラワーテープを引き伸ばして使うことで、粘着力が増します。
- ワイヤーを隠したり、一つの束にまとめるのに便利です。
- 色数が多く、花材に合わせて使うことができます。
- フラワーテープと呼ぶこともあります。
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☆テーピングしない方法
用途によって、テーピングをしない場合があります。その場合は以下のように、ワイヤーをまとめて使用しましょう。
ワイヤリングして、下に揃えたワイヤーを1本斜めに持ち上げる。 |
持ち上げたワイヤーで、茎に揃えたワイヤーを巻きつけていく。 |
ワイヤーの端まで巻き終えたら馴染ませて完成。 |
05.動画でcheck!
取り扱いの注意点
- 色移りするので、服・壁・布に直接着かないよう工夫が必要
- 繊細なので取り扱いに注意が必要
- 湿度に弱いので高温多湿を避ける
- 乾燥すると花びらの破損に繋がるので、エアコンやヒーターの近くには置かない
- 直射日光など、紫外線によって褪色することがある
- パールやフレームの塗料と相性が悪いものがあり、変色や変形することがある
- 防炎加工されていないので注意が必要
- お子さまやペットが口に入れないよう注意が必要
色鮮やかで眺めているだけでも心がワクワクしてくるプリザーブドフラワー。ちょっとしたアレンジからギフト向けの本格的なアレンジまで作れるようになったら、花のある暮らしがさらに充実するはず!
ぜひ参考にしてくださいね!