アーティフィシャルフラワー、プリザーブドフラワー、ドライフラワー。 それぞれのちがいってなに?
1.それぞれの主な特徴
アーティフィシャルフラワー(造花)とは
アーティフィシャル(artificial)とは「人工的な」という意味の英単語です。 基本的にアーティフィシャルフラワーと造花は同じものですが、近年は「造花」の質の向上がめざましく、生花に見間違えるような精巧なものが増えました。旧来品と区別するうえでも、「アーティフィシャルフラワー」が一般的な呼び方になってきています。 素材はポリエステル等の布製が多く、茎(ステム)の部分はポリエチレン製です。また最近は再生PETボトル、再生プラスチックといったリサイクル素材を原料に使用、または配合したSDGsな商品も広がりを見せています。
- アーティフィシャルフラワーとは、
- よりハイクオリティな造花
- 布やプラスチックでできている
- 染め方によってさまざまな色合い
プリザーブドフラワーとは
プリザーブド(preserved)とは英語で「保存する」「保つ」などを意味します。 プリザーブドフラワーは、生花に人工色素を吸い上げさせて染色し、特殊な加工を施すことで、発色の良さや花本来のみずみずしい感触を長期間保つことが可能なお花です。生花の表情を残しながらお手入れの必要がなく、自然では再現できない幻想的な色合いも楽しむことができるなど、フラワーアレンジメントにおいても高い人気を誇ります。
- プリザーブドフラワーとは、
- 生花(本物のお花)を染色したもの
- 発色が良く、鮮やかな色合い
- しっとりした質感
ドライフラワーとは
ドライフラワーは、草花のきれいな状態を長く楽しむために生花を乾燥加工(dry)して製造しているお花のことです。おうちで自作するのも容易で、買ってきたお花を逆さに吊るして自然乾燥させ、自分だけのドライフラワーを飾って楽しんだことがある方もいるのではないでしょうか。 自然の風合いと柔らかな色合い、素材の持つ優しさが魅力のドライフラワーには、生花とは違った美しさがあります。
- ドライフラワーとは、
- 生花(本物のお花)を乾燥させたもの
- 自然な色合い
- カサカサした質感
2.それぞれの共通点
特徴がバラバラに見える3つのお花ですが、共通点はあるのでしょうか?まずはそれぞれの項目を表で確認してみます。
項目 | アーティフィシャル | プリザーブド | ドライ |
---|---|---|---|
生花由来 | × | ○ | ○ |
お手入れ不要 | ○ | ○ | ▲ |
季節を問わない | ○ | ○ | ○ |
長期間楽しめる | ○ | ○ | ▲ |
色の種類が豊富 | ○ | ○ | ○ |
長く楽しめるアーティフィシャルフラワーとプリザーブドフラワー
素材が生花かそうでないか以外、すべての項目で共通しているアーティフィシャルフラワーとプリザーブドフラワー。水やりなどのお手入れが不要であることに加え、長期間楽しめるのもうれしいポイントですね。環境や用途にもよりますが、寿命としては、アーティフィシャルフラワーなら10年以上、プリザーブドフラワーなら3年~5年ほどといわれています。 またこの2つは、より生花に近い感覚でお花を楽しめるのもポイント。もともと生花を素材としているプリザーブドフラワーはもちろん、アーティフィシャルフラワーは素材や染色の仕方で、生花と見間違えるほどリアルな表情を再現することができます。
長期保存が可能なこと、生花のような鮮やかな色合いが楽しめることからも、アーティフィシャルフラワーとプリザーブドフラワーは、ギフトや特別なシーンでのディスプレイに特におすすめといえるでしょう。
▼さらに詳しくはコチラ アーティフィシャルフラワーってなに? プリザーブドフラワーってなに?ドライフラワーの楽しみは限定的?
では、お手入れと期間で△のついているドライフラワーはどうでしょうか。
ドライフラワーのお手入れ
アーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーと同様、基本的には埃を払ってあげる程度でOKですが、花や葉が完全に乾燥しているドライフラワーは大変壊れやすく、デリケートです。 埃取りなどは使用せず、軽く振って埃を払い落とす程度が良いでしょう。 埃はドライフラワーにとってカビの原因ともなるため、保管する際には汚れはきれいに取り除いておくのをおすすめします。 またドライフラワーには、乾燥しているものを好んで食する「シバンムシ」という虫が発生することがあります。市販の防虫スプレーをまんべんなく塗布し、よく乾燥させてから飾るようにしましょう。 ドライフラワーを段ボール等で一時保管する際にも、乾燥剤と合わせて防虫剤も入れておくと◎。 マイフラでは、ドライフラワーの防虫用スプレーも各種お取り扱いしています。用途に合わせてお選びくださいね。
\静電気も防ぐ/ NC002000 ドライフラワー用防虫スプレー ネオマーボン | \型崩れも防ぐ/ NC000502 Sense of Nature ドライフラワースプレー | \果実も安心/ NC000505 Sense of Nature ドライフルーツスプレー |
ドライフラワーの寿命
乾燥しているからずっと飾れる、と思われるかもしれません。ところが、実はドライフラワーには寿命があります。 飾っている環境にもよりますが、基本的には1~2か月、長くて1年くらいといったところ。
制作より約半年後と比較経年変化による変色もドライフラワーならではの魅力ではありますが、花や葉の退色が進んだり、パラパラと落ちてくるようになったら手放すのが良いでしょう。 以上、ドライフラワーのお手入れと期間について解説しました。 あくまでも自然のものと理解したうえで、限られた時間の美しさを楽しんでみてくださいね。
▼さらに詳しくはコチラ ドライフラワーってなに?おまけ:ドライフラワーもカラフルに!
ドライフラワーといえば、自然そのものの色を楽しむものであり、茶色やくすんだ緑色といったアースカラーをイメージする方が多いのではないでしょうか。 実は近年は染色した「カラードライ」も人気が高まっているんです。 プリザーブドフラワーの鮮明なトーンと異なり、ドライフラワーの質感ならではのやさしさが感じられる、まさにニュアンスカラーというにふさわしい繊細な色合いが魅力。 ブーケやインテリアで取り入れられる機会も増えており、おしゃれさんは大注目のアイテムとなっています。
3.おすすめの使用例
三者三様の特徴と魅力をもつお花。最後に、それぞれ特におすすめのポイントと、具体的な使用例についてご紹介します。
アーティフィシャルフラワー
花粉や香りがないのでテーブル装飾にも気兼ねなく使用できます。 また土や水も使っていないため、衛生的かつ万が一倒してしまってもお掃除がらくちん。ペットやお子さまがいるご家庭でも安心して飾ることができます。
扱いやすく軽量なので、アクセサリーやブーケなどハンドメイドの材料に最適!長期保存も可能なので、記念日や思い出に残るアレンジメントの制作にも♪
季節を問わず使用でき、お店のディスプレイやウェディングシーンなどでイメージに合った演出ができます。 実際のお花では難しい飾り方も可能!
プリザーブドフラワー
生花のような表情、高級感、発色の良さなどから、ギフトで高い人気を誇ります。
イベント時のディスプレイなどで、水やりなどのお手入れの手間なくリアリティあるアレンジメントを制作したいときにもおすすめ。
アーティフィシャルフラワーと同様、香りや花粉のほか衛生面での心配がないので、テーブル装花にも活躍します。
ドライフラワー
自然な色合いによる渋さは落ち着いた雰囲気があり、お正月飾りをはじめとした和のしつらえともマッチします。
自然体で素朴なたたずまいはふだんのインテリアにもイチオシ!たくさん並べて飾っても落ち着きがあり、穏やかな癒しの空間を演出してくれます。
染色せず、自然の色をそのまま残したドライフラワーなら、手作りキャンドルやハーバリウムの材料としても最適です。
アーティフィシャルフラワー、プリザーブドフラワー、ドライフラワー。3つのお花について、ほんの少し理解は深まったでしょうか? シーンに合わせたお花選びで、今よりちょっぴりレベルアップした「お花のある暮らし」を楽しみましょう!